おじま自然農園物語 | 株式会社おじま自然農園 | 埼玉地鶏タマシャモの養鶏・畜産業

おじま自然農園物語

【廃鶏(はいけい)】
との出会いが人生を変えた。

農家の長男として生まれた尾島。その当時、専業農家として成り立つほどの土地がなかったことから、両親にも「好きなことをやっていい」と言われ、一度都内に出てコックの見習いになることに。

25歳の時に地元に戻り【穂久柳(ほくりゅう)】(中国料理店)を開店。そんな中、尾島が鶏に興味を持つようになったきっかけは、たまたまラジオから流れてきた【廃鶏(はいけい)】の話を耳にしたことでした。
産卵率の落ちた鶏は基本的に廃鶏として処理されてしまうということを知り、「それをもう一度育ててみたらどうなるだろうか」と考えたのです。

誰もが諦めかけていた
埼玉地鶏「タマシャモ」の飼育に成功!

試しに放し飼いをしてみると、100羽中90羽もの鶏がまるで別の鶏のように美しい光沢を放つようになり、良い卵を産むようになりました。それであれば「もっと質の高い鶏を飼ってみるのも良いかもしれない!」と思い、色々と調べた結果、地元埼玉に地鶏がいることがわかり、それこそが「タマシャモ」だったというわけです。

最初は「養鶏をやったこともない、いち中華料理店が何を言っているんだ?」と門前払いに合う事がほとんどでした。ですが、放し飼いをしたタマシャモは従来とは別格の肉質に育ち、試しに販売してみたインターネットオークションでも確かな手応えがあったことで、県からも協力を得られるように。

当時生産者がほとんどおらず、県も諦めかけていた地鶏の飼育。私たちの手により、かすかな希望の光が見えるようになったことで、埼玉が誇る食文化の象徴を再燃させることができたのです。

生産者とユーザーという
2つの視点が成長を支えてくれた。

県からの勧めもあり「彩の国地鶏タマシャモ普及協議会」を発足して、自らが会長となった尾島。生産者とユーザー(コック)という2つの立場を十二分に活かして、様々な研究を行いました。

どういう餌を与えてどういう風に育てれば、どういう肉質になるのか。そしてどう調理するのが一番良いのかということまで全てです。そうして出来上がったタマシャモは、従来から大きく進化を遂げた“高級品質の地鶏”として生まれ変わりました。

現在は、【穂久柳(ほくりゅう)】(中国料理店)の食材として使用するほか、「しゃもめし弁当」や肉を冷凍パックした「タマシャモ物語」として発送するなど全国に販路を拡大しています。(「しゃもめし」※一般社団法人新日本スーパーマーケット協会主催・お弁当・お惣菜大賞2018で優秀賞受賞)

養鶏・稲作・飲食業
「SDGs」に繋がる6次産業化へ。

現在は、養鶏と飲食業に加え、お米づくりも行っています。
お米を食べて育ったタマシャモがどのように育つのか、という研究から端を発したのですが、近年では後継者不足などにより田畑が休耕地(作物の栽培を行っていない、休んでいる田畑)となるケースが増えていることから、その地を買い取り、荒廃していく農地を蘇らせようという試みを行うことに。

ありがたいことに、おじま自然農園では育てた米や野菜を活用できる場所が多くあります。第1次産業・2次産業・3次産業すべてに取り組むことで、「持続可能な農業と循環型社会の実現。」に貢献したいと考えているのです。

また、これは事業とは少し離れた話にはなりますが、通学路を囲むようにある田んぼに今年「レンゲや菜の花の種」をまきました。来年には辺り一面“菜の花畑”になっているはずです。レンゲや菜の花畑の中を子供たちが元気な声を上げながら通学してゆく。そんな昔あった原風景を見られる場所を作りたいと思っています。