製剤研究部 Y.T.
業務内容について教えてください。
私が所属する製剤研究部では製品開発の初期から終わりまで広範囲な業務に携わります。具体的には先発品の調査から始まり、研究所スケールでの処方製法検討、パイロットスケール※での治験薬製造、工場での実生産スケールに移行する技術移転などです。
ジェネリック医薬品が開発される過程のほぼすべての段階に関わることができるのが製剤研究部ならではの魅力だと思います。
また、製剤研究部は複数のグループに分かれており、グループで発売時期の異なる複数の品目を担当します。各品目には、責任者・担当者が配置され、協力しながら発売に向けて研究開発を進めていきます。
※パイロットスケール:実生産スケールの1/10以上
一番やりがいを感じた経験は何ですか?
自分の担当していた開発品が、初めて販売された時に最もやりがいを感じました。その品目では、「申請」と「工場への技術移転」を実施しました。
どちらも初めての経験でしたが、特に工場の生産スケールで製造を行う「技術移転」では、使い慣れない大きな機械を相手に苦戦する場面もありました。製造機器に詳しい先輩社員からアドバイスをもらいながら試行錯誤し、無事に技術移転が完了した時はとても嬉しかったです。
この経験を活かして、その後の担当品目でも実生産スケールを見据えた検討ができるようになりました。例えば、造粒スプレーの噴射スピードの改善等、製造時の所要時間を意識する視点が持てるようになりました。
自身が開発した品目の承認後、工場で製造する際に現場が困ることがないよう、日々の業務に注意して取り組むよう心がけています。
仕事をしてきた中で、一番大変だった経験は何ですか?
入社2年目の秋頃、初めて治験薬製造を行った時が最も大変だったと感じています。治験薬の製造は、いつも以上に気を使う業務です。もちろん、試作された製剤は理化学的な試験で品質を確認してから、治験のフェーズに入るのですが、試作した製剤とは異なり、治験薬は実際に人に投与されますので、より厳しく管理されています。
治験薬の製造前には多くの文書を作成し、その文書に則って決められたルール通りに製造する必要があります。文書には、例えば原料、添加剤、包装の資材、造粒スプレーの条件等、製造時の詳細なルールを記載します。そして、これに則って厳密にルールを守りながら、工場の治験薬エリアで実際に製造していきます。
細かい部分にまで注意を要する緊張感はありましたが、患者さまの手に届けるためには必要不可欠なフェーズであるため、その分、やりがいも感じました。無事に治験薬が完成した時は達成感でいっぱいになりました。
そして、この経験から、普段の業務でもミスがないように、繰り返し確認することを徹底できるようになったと感じています。
毎日の仕事の流れについて教えてください。
朝9時から業務開始となります。
製剤研究部では、大きく分けて2つ「製剤(開発品)を製造する業務」と、「製造した開発品の分析を行う業務」があります。多くの場合、丸一日かけて一方の業務のみを実施します。
製造する日は、朝から秤量や造粒、打錠等を行い、錠剤を製造します。フェーズによっては工場で作業することもあります。
また、分析する日は、朝から試薬の調製などを行い、HPLC等の分析装置にかけて試験を実施し、翌日に結果を分析するといった流れです。他には、申請のために必要な書類の作成を行う日もあります。
担当品目の開発における最終段階である治験薬製造や申請、工場への技術移転の時期は忙くなることもありますが、基本的には定時に退勤しています。
日本ジェネリックに入社を決めた理由を教えてください。
学生時代から製剤分野の研究をしていたので、製剤研究職に就きたいと考えていました。ジェネリック医薬品は開発サイクルが短いため、様々な製品の開発に関わることができると思いました。
その中でも、日本ジェネリックは日本調剤(株)が親会社であり、患者さまだけでなく薬剤師の方々の意見も反映された製剤を開発できるところに魅力を感じたため、入社を決めました。
実際、日本調剤(株)の薬剤師の方々の声をアンケートという形でフィードバックしてもらえるため、研究開発の際に参考にしています。もちろん全てのニーズにお応えすることはできませんが、できるだけ患者さまや医療従事者の方の声を活かした検討を進めることできるので、人の役に立てている実感があります。
学生時代の専攻、研究内容について教えてください。
大学、大学院ではラマン分光法を用いた医薬品の新規結晶形探索法に関する研究をしていました。学生時代の研究で培った実験に対する考え方や論理的思考は、現在でも活かせていると感じています。
現在の実務でも多少学生時代の知識を活かすこともありますが、ほとんどの業務は入社してから学んだことです。実際、当社には様々なバックグラウンドの社員がおり、新卒社員でも医薬品に関する研究を行っていなかった方の割合が高いのですが、入社後に学ぶことができるので、それほど影響はないと感じています。
先輩からの丁寧な指導や豊富な資料があるため、学生時代の分野が異なる方でもチャレンジできる環境です。
就活生へのアドバイスがあれば教えてください。
就職活動で大切なのは自分のこだわりを最低でも1つ持って企業選びをすることだと思います。私は「製薬企業で研究がしたい」ということを最優先に考えて就職活動をしていました。
学生時代は、主には自分自身のために新しい発見を求めて研究していましたが、今は患者さまのために研究を行っています。実際に自分の開発品が患者さまの手に渡り、喜んでもらることが学生時代との一番の違いであり、やりがいだと感じられるので、もちろん大変なこともありますが、めげることなく仕事を続けられています。
自分が大切だと思うことを実現できる仕事に就くことができれば、やりがいや向上心を持てると思います。就職活動は自分自身のことをじっくりと考えることができる良い機会だと思いますので、ぜひ焦らずに頑張ってください。